宇玖頼奈A.k.a涅惡陶狂邪愛魅異

尻の穴で、伝わる愛

愛と自炊

吾輩はおじさんである。
金は常にない。
何に使っているのかとんと見当けんとうがつかぬ。
誰かと薄暗い宿泊施設でニャーニャーパパ活している事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて本当の愛というものを見た。

そんな貧乏ぐらしをしているおじさんであるが、貧乏が故に生活が苦しい。
パパ活は人生において重要なファクタなので回数を減らすことは難しい。
固定費ももちろん難しい。
では結局食費になるわけである。自炊は高い。
自炊というものが何かという事も最近ホッテントリに入っていたけれども、原材料から購入することは価格において既に逆転現象が起きている。
材料と完成品を買うのがほぼ等価になっているのだ。そうなれば調理がおわり個別に完成品が梱包されている状態が最も価格が抑えられる。
とくに冷凍食品。最近の冷凍食品は品質が高くなり価格が低くなる最高の状態である。
消費期限の近い食材食品はベネフィットされたニーズにターゲットが絞られ価格が凡そ貧乏人の3倍になっている。時代は冷凍である。

流通関係のことやらで去年の末ごろから冷凍食品が注目されはじめた、と世論を押し流そうとしていたけれども結局だれの口も伝わらなかった冷凍食品である。
実際、安くて品質が高い。実際にうまいのだ。
おそらく脂分の関係ではないかとみているのだけれども、ラーメンはその旨さを冷凍に見いだせていない。スープの冷凍技術について家庭用の-20℃程度で保てるこってりスープの開発が必要なのではないだろうか。
問題はスープだけなのか、と問われると、だけである。麵は既に旨い。
ラーメンのスープだけ都合ができれば最上の品質にして最大のボリュームを誇る冷凍ラーメン麺が手に入るのだ。
そこでその問題を解決しうる冷凍食品の一品に「キンレイつけ麺」がある。ボリュームがなんと麺300グラムなのだ。美味い。
麺がやたらとおいしくて、うまい。そして成人男性をたった1玉で満足させうるボリューム。これにスープがあればラーメンとしては最高なのだけれども、その問題をつけ麺という形で濃いスープで補っている。
このスープもうまい。しかしながらラーメンにするにいたる濃度や量、そして脂分を満たしていないのかラーメン量ほどに汁を増やさないつけ麺という事で解決をしている。
これが激安店ならば120円程度で変えるのだ。業務用の麺ならばおそらく20円前後で買えるのが相場だろう。3玉相当を買えば60円程度、およそその冷凍めんの半分の金額で買う事ができる。
しかしながら品質と満足度が全然ちがう。各段にうまいのだ。1玉およそ60円程度の麺としてもその他の麺の倍は満足感がある。つまり実質安い業務用麺の倍の価値があるおいしさである。
この麺がうまいことで、スープについての価値が跳ね上がるのだ。さすがに美味いといえども毎日同じものを食べ続けるのは困難である。

そこで、貧乏人は麺のまとめ煮、スープの節約を行う。袋麺替え玉などのテクニックだ。
袋麺で最強なのは生活協同組合のPB商品の袋麺。
コロナ後の世界情勢から石油ショックで大幅値上げが起きる前は激安店のPBや明星食品の評判屋が価格と品質を兼ね備えていた。しかし両者を含め全体が一気に値上がりしとても購入できるものではなくなってしまった。
袋麺は凡そ1袋100円程度の価格相場で5袋セットになっており、安くなるタイミングで5袋が300円中盤を切る場合がある。
生活協同組合の袋麺は5袋で300円を切る。たしかに同じ価格帯の激安点PBやそのOEM麺はあるが、内容がまったく異なるのだ。
生活協同組合の5袋袋麺は、麺の量、味、包装の品質、スープが100円袋麺に劣らない。その完璧な品質で袋麺なのだから、2玉同時に煮て1スープでいただくことも問題ない。
袋麺で替え玉を行うとスープの濃度に問題が生じやすいが、2玉同時に似てしまえば1スープ残る。
貧乏人の麺チョイスで最も重要なのは味。貧乏であるがゆえに献立はループしがちなため、できるだけ選択範囲の中で飽きない工夫が必要なのである。
そして健康に気遣う金銭的余裕もないし準備や予定計画ができないからこその貧乏であるが故、新鮮なトッピングは対応できない。
麺類を食べる時に付属している調味料が余ることこそが、貧乏ジャンクの麺生活に大きなウエイトを占める事になる。
ラーメンスープを余らせていれば、何にでも使う事ができる。袋スープをそのままおいていれば保存期間は短いが、非常に有用だ。
ちょっとした味付けに使用して安い食材に満足感を与えたり、他の麺に安いスープを使用することで付属している高めのスープを取り置くことも可能である。

ここで、極端にうますぎる「キンレイつけ麺」の麺に対してまとめ煮をした生活協同組合のスープを使用することで「高級魚介つけめんスープ」をキープすることができる。
これは冷凍なので高い品質を袋麺粉スープのように湿気でダメにするまでの期間以上に保持することが可能だ。

また他に生活協同組合とキンレイの悪魔的合わせ技として「焼きそば」がある。これはもう食の革命と言っていいくらいに危険度が高い合わせ技である。
方法としては、まず「生活協同組合のPB生めん3玉セット焼きそば(105円程度)」を購入し、生活協同組合の袋麺スープでいただく。太ちぢれ麺のラーメンでラーメンに飽きが来ていない状態であれば充分においしくいただける取り合わせである。
こうすることで「焼きそば粉ソース3袋」を入手することができる。そして悪魔の禁断レシピ「キンレイ麺で焼きそば」に至る。キンレイつけ麺300グラムに対し袋ソースを2袋使用する。このうまさたるや脳を破壊しかねない危険性すら感じさせる。
その大満足をもってしてさらにつけ麺スープが余るのだ。この魚介醤油と魚介豚骨のスープは俗にいうごく一般的な「魚骨粉入り魚介系つけめんスープ」なのであるが、それが生タイプであり冷凍であることは、他の調味に再利用の幅と満足感がとても高い。
太麺300グラムで焼きそばの異常なまでのうまさに加え節約であり、これはもはや人間が達してよい食の文化レベルを超えているのではないかと自らの行為に恐怖する程である。

調味料を買っておけばよいのではと発想できるほどに生活水準の高い人間にはお薦めできないし、この人を殺す魔法がごとき満足感とうまさだけを追求され凝縮され洗練された「太麺300グラム焼きそば」を味わっていただく筋合いはない。
瓶単位で購入することの維持の無駄とイニシャルコスト、開封してからの保存期間に対する保存料や調味の具合、それがもたらす貧乏による固定的な購入範囲で発生する献立ループから言えば、単品での価格とその付属品の再利用性が重要なのだ。
年収300万円ちょうどの私が体感している食の文化レベルは、およそ10倍の年収域にあるそれと同じだと自負している。もちろん年収は現在が最高値でありそれ以下の生活しか知らないので完全に妄想ではある。
しかし私は10倍というなんの根拠もないが体感として10倍の幸福というタイトルのつけられた満足感を脳にダイレクトに発生させることに成功している。

おそらく大麻の合法化や麻薬成分についての合法化を訴えている人間も、その体験が人を数う可能性があることについて、救いが実在することについて訴えているのだろう。
私も「キンレイ冷凍つけ麺300グラム麺を生活協同組合PB焼きそばソースで」という化学変化で震えるほどの幸福感と満足感を得ている。もはやこれは救済である。
安い食事で生活を楽にして、楽しみに使おう、人生のうるおいには金が必要でありそのための節約として食費から減らそう、ではないのだ。
既に「つけ麺x1」「袋麺x5」「生麺焼きそばx3」の合計9食分、スープの組み合わせとしては「つけ麺に焼きそばソースx2」「乾麺のうち2食を麺大盛(2食分)」「焼きそば麺をラーメンスープでx3」で6食行うことで袋麺x1と焼きそばソースx1の余裕を残す節約をした上で、脳に直撃する麻薬的効果の満腹幸福感を得ているのだ。

年収が倍、10倍ある人間は手の込んだ料理を素晴らしい雰囲気につつまれた中で楽しく会話しながらいただくのであろうけれども、脳が感じ得る麻薬的なうまさによる直接的刺激は得られず常識的なふるまいで常識的に食事を終えるしかないだろう。
うますぎて白目をむいて鼻汁や涎、へんな汗や汁をこぼしまきちらしながら跳ねて「うまい」と叫ぶほどの食事は、そこにはないだろう。